昨日は七夕・・・ピンチでした!

2006年07月09日

7月9日

平成12年7月9日・・・



それはちょうど6年前の今日、梅雨明け間もない7月9日でした。







その日私は、







またも・・・・・ 死 に か け た 。




(文章だけ!かなり長いです。)









・・・って、先週と全く同じ書き出しですが、、、
二週続けて【死にかけた】というのも大変珍しいヤツかと思います。


この日は・・・前の週(7月2日)に落雷で死にそうな目に遭ったというのに、懲りもせずまたまた自転車【ダイエット】ツーリングに出掛けたのです。

前回は行程の2/3足らずで落雷のために行く手を阻まれたため、今回はリベンジ・倍返しの意味も込めて、なんと【人吉ー熊本往復】という【暴挙】に出たのでありました。距離にして190kmちょっと・・・普段自転車ツーリングに慣れている人なら、比較的楽に・・・いや、楽じゃないだろな、やっぱり。


ちなみに・・・今まで一日で走った最長距離は約140km。
この時は峠道を三つもこなす少々ハードな行程だったが、当時乗っていたのは軽量のロードレーサー。しかもツーリングに最適な秋の日、20代の若かりし頃だった。

今回は、三十路も半ばを過ぎての・・・7月の太陽がギラギラと照りつける真夏のツーリング。
競技選手ならそこそここなせる距離だろうが、十年近いブランクから自転車を再開してわずか二ヶ月足らず!の人間が走るには・・・やっぱり【暴挙】でしょう。

今思うと【いったい何を考えていたのか?!】と問い詰めたくなるが、、、
まあ【何も考えてなかった】のでしょう。何となく「走ってみよう!」と思っただけで。



とにもかくにも・・・当日の朝、玄米フレークに牛乳をかけた軽めの朝食を摂ってツーリングに備えた。メッシュのシャツに、短パン・キャップ。顔・首筋・腕・脚には日焼け止めを入念に塗る。

そして・・・午前8時、晴れ渡った夏空の下、愛用間も無いMTBに乗って長丁場のツーリングは始まったのでした。


まだ早朝のひんやりとした空気がほのかに感じられ、肌を撫でる風が心地良い。しかし球磨村にさしかかる頃には、さすがに夏のギラギラ照りつける太陽がアスファルトを焦がし始め、汗がポタポタと落ち始めた。

今回は距離が長いので、スピード優先・国道219号線をひた走ることにした。旧道は交通量が少なくてのんびり走るにはよいのだが、小さなアップダウンが多くどうしてもスピードが乗らない。国道は大型トラックが走るし、あまり気持ちの良いものではないが、トラックの風圧・・・抜き去って行く時の負圧が、自転車のペースアップに意外と役立つものだ。

それにしても・・・昔は27〜28Km/h程度で余裕を持って走れていたのだが、この頃はさすがに・・・20km/hを超えると息があがりそうになる。相変わらずポタポタと汗を滴らせながら、黙々とペダルを漕ぐ。周りの景色を眺める余裕はない。

球泉洞手前の登り坂にさしかかる。車ならばサーッと気持ちよくコーナーを駆け抜けて行く場所なのだが、自転車だと・・・こんなにきつい坂だったのか???
それでも人吉ー八代間はほぼ平坦といえる道で、まだ楽な方だろう。学生時代に走った人吉ー鹿児島間は、峠道を含むアップダウンの繰り返しで、かなり参った憶えがある。宮崎方面も丘陵地帯を上り下りする感じで、それなりの登坂路がある。今回のコースはそれらと比べるとほとんどが平坦路で楽ではある。

そして、黙々とペダルを漕ぐこと約3時間・・・球磨川のV字谷の景色の向こうに、八代平野の開けた風景がようやく見えてきた。狭いトンネルを抜け出た時のような、いつもながらホッとする感じだ。
ここから先、合流する国道3号線はさすがに交通量が多いので、八代〜鏡〜松橋経由の県道を通ることにした。

途中のコンビニで小休止。胡麻のクッキー1箱とタマノイ酢のドリンクでちょっとだけ栄養補給。この日は【ダイエットツーリング】も兼ねていたので、最低限の食料しか摂らないつもりだった。ただ、水分の摂取量は半端じゃない。
自宅を出る時に持ってきたジャワティーのペットボトルはとっくに空っぽ。ホントは同じものが欲しかったのだが、あいにくどこにも売っていない。無糖紅茶は脂肪燃焼には良いと聞いたことがあるのだが・・・仕方ないのでウーロン茶で我慢する。しかし、ぬるくなったウーロン茶のまずいこと!!


小休止のあと、八代平野の田んぼの中の道を熊本へ向けて再び走り出す。しかし、この頃から少しばかりの向かい風が吹き始め、なかなかペースが上がらなくなってきた。大した風ではないのだが、自転車にはこれは応える。涼しい風ならまだ良いのだが、田んぼの湿気とムッとする熱気を運んでくるし、球磨川沿いのR219と比べると気温が若干上がったようだ。ここからペースを上げるどころか、徐々にパワーが落ち始めて行くような気がした。


それでも何とか県道を走り抜け松橋へ到着。ここから国道3号線と合流。時刻はすでにお昼を過ぎ、真夏の午後の陽射しが容赦なく照りつけアスファルトを焦がしている。先ほどまでは田んぼの中の道だったが、ここからは周囲にコンクリートの建造物が増えてくる。気温も上がってくる。この時季・この陽射しなら、気温は35度を下らないだろう。道路上はもちろん…もっと暑いはず。


やがて・・・宇土を過ぎて緑川にかかる橋の上へ。自動車でも2時間はかかるようなところまで来て・・・「よくもここまで走ってきたもんだ・・・」と、少々感慨に浸る。
しかしここからは・・・熊本市内に近づいて道路幅は狭くなるし、ますます交通量も増えてくるので、さすがに車道を走るわけにも行かず、路面状態の良くない舗道を走らざるを得ない。ペースもガクンと落ちる。


途中、信号待ちで止まり、工事中で道が狭くなったり、看板が舗道をふさいでいたり・・・と、「あぁ…なんだか走るのが面倒臭いな・・・」と思いつつ、午後2時頃、ようやく熊本市内へ入ってきた。とりあえずいつもよく行くアウトドアショップで休憩し、ここで折り返すことにした。市内中心部は信号だらけで、時間を食うばかりだと思ったからだ。



冷房の効いた店内でしばし休息を取り、いかにも涼しげなメッシュのキャップがあったので買い求めることにした。「帰りはこれを被って行こう・・・」


30分ほど休んだあと、再び自転車にまたがり元来た道を引き返す。これからが一番暑い時間帯だ。
走り出してすぐ、汗がぼたぼたと流れ落ちる。

よく「滝のような汗が・・・」などと言う人がいるが、それは私を見てから言ってもらいたい。自分で言うのもアレだが、私の流す汗の量は半端じゃない。あまりの暑さに大量発汗・・・サウナにでも入ってきたかのような姿に、通り過ぎる人たちに驚きのまなざしで見られたこともある。

それはともかく・・・メッシュのシャツは汗を吸っては放出しているが、両手のリストバンドは汗を吸ってぐっしょり。額の汗が流れ落ちて眼にしみ、顔の汗は頬を伝いポタポタと地面に落ちていく。
スピードも上がらず、【走る】というよりダラダラとペダルを漕いでるだけのような感じだ。ノロノロとしたペースで国道3号線を南下する。

途中、商店街に入り【ジャワティー】を探すが、どこにも売っていない。かつて紅茶ダイエットで二ヶ月15Kgの減量をしたこともあったし、これがあると助かるのだが・・・


やがて緑川を渡り、少しペースが戻ってきた。しかしそれも長くは続かず・・・またもペースダウン。
この日はとにかく雲ひとつない晴天で、走る場所にはもちろん日陰などほとんどない。真夏の太陽に焼かれて、体温がどんどん上がって行くような感じがした。


やがて宇土を過ぎる頃になって・・・さすがに「これはちょっと…やばいかも?!」と思い始めた。
体中からダラダラと汗が噴き出し、止まらなくなってきた。体温がどんどん上昇する感じがする。【熱中症】というのにやられたら、下手すると命が危ないというし・・・倒れ込むようにして建物の陰に自転車を入れ、しばし休息。汗が引くのを待った。このまま走り続けるのはさすがに危険だと思ったからだ。


しばらく休んだら熱っぽい身体もなんとか落ち着き、ふたたび走り出すことが出来た。しかし、やっぱり長くは走り続けられない。時刻は午後3時を回ったころ・・・もっとも暑い時間帯だ。日陰を見つけては小休止を繰り返し、松橋から先は、元来た県道に入り八代方面へ向かう。


しかし、JRの陸橋を過ぎた先で遂にダウン。もう脚が動かなくなってしまった。身体に力が入らない。
とりあえず、田んぼの真ん中のポンプ小屋のわずかな日陰に身を寄せて体力の回復を待つことにした。
体力だけでなく、何だか意識も朦朧としてきて、「これからどうしようか・・・?」という判断もつきかねる状態だ。道端にへたり込んで、行き交う車をボーッと眺めるだけだ。
空は真っ青に晴れ渡り、雲ひとつない。日陰を一歩出れば、凶悪な太陽光線が降り注いでくる。もう動けない・・・どうする???

どのくらい休んだろうか???
さすがに・・・陽射しが弱まる時間までここで待つわけにはいかないと思い始めた。体力が回復・・・というより、走る気力が少し戻ったところで意を決して走り出す。

相変わらずペースは上がらないが、途中・日陰を見つけては休憩・水分を補給して何とか走り続ける。もちろん水分の補給だけでは倒れてしまうので、今回は沖縄のミネラル塩・【ぬちマース】のポケ塩を持参していた。塩を舐めてはお茶を飲み、これでなんとか・・・これが無ければ、途中で倒れていただろう。

そして、時間はかなりかかったものの、松橋から小川〜鏡となんとか走り抜け、八代に近づくころには陽も西に傾き、ようやく気温も下がり始めてきたようだ。

【下がり始めてきたようだ】・・・というのは、身体はじゃんじゃん汗をかいていて走れば風が体温を奪っていくのだが、どうも暑いんだか涼しいんだかわからなくなってきていた。
「私の身体の状態は、どーなんてんのかいな?!」もはや気温の感覚もなくなってきているようだ。体中から噴きだした汗が乾いて塩の結晶を作り、白くこびりついている。

そして八代市内を抜け、球磨川を渡り219号線に入る。さあ、あと残すところ50km余り・・・ラストスパートだ!!球磨川沿いに入れば気温もぐっと下がり、ずいぶん走りやすくなる。

・・・と思ったのもつかの間。ここまでの長距離走行と暑さで、体力・気力ともすっかり消耗しきっているし、坂本を過ぎるころには左膝がかなり痛くなってきていた。腰から背中にかけても引きつるような痛みが走る。これではもう、ペースアップは望めない・・・・どころか、ここまで来ながら完走も怪しくなってきた。

とりあえずのんびり走れる旧道に入り、葉木駅で小休止。痛みを和らげるため、消炎剤を膝・腰に塗る。多少はよくなったようだ。先週はこのあたりで雷雨に襲われたが、今日は雨は来そうにない。線路沿いの旧道を、再びノロノロと走り始める。

瀬戸石ダムの辺りを過ぎ、「もう、こりゃダメだ・・・」と思いつつ駅へと向かう。膝の痛みはますます悪化し、もうだましだまし走っている状態だ。しかし・・・時刻表を見ると次の汽車まではずいぶんと時間があるようだ。

夏の日差しもすっかり翳り、いつの間にか夕闇がせまっていた。

とりあえずもう少し・・・次の駅まで・・・我慢して走ってみよう。
左膝の痛みは、ちょっとした上り坂でもかなり応えるほどに悪化している。背中も息がしにくいほどに引きつり痛む。

そうこうしながらも、二駅、三駅と、通り過ぎていった。。。
もうそれほど喉は渇いていないが、途中、ポカリスエットを買って小休止。ここまで疲れ切ると、体力の回復・・・というよりは、ちょっとでも気力を回復させることが必要だ。

でもよく考えると、この日ここまで摂った栄養分はというと・・・タマノイ酢のドリンク1本と、胡麻のクッキー1箱だけ。よくもこれだけの養分補給で走ってこれたものだ。

再びノロノロとペダルを漕ぎ、球泉洞を通過。人吉まであと20kmほどか・・・
ここで汽車に乗ろうかどうか迷ったが、まだ少し時間があるようだし・・・そのまま一勝地まで行くことにした。

しかし、さすがにここまで引っ張ると汽車の時間にそれほど余裕はなく、「う〜む...き、きつい・・・」と言いながらも、ジリジリと走りのペースを上げざるを得ない。次の駅で汽車に間に合えば乗ろう・・・遅れたら当然そのまま自転車で帰る!!と決めて、走り続ける。

すると不思議なことに、徐々にスピードが乗ってきて、そのまま人吉まで帰れそうな勢いが戻ってきた。
次の駅・・・一勝地を通過するが、汽車はまだ来ていなかった。「よし、こうなったらこのまま人吉まで帰ろう!」とばかりに、国道へ出て一気にペースを上げる。

トラックが通りすぎるときの負圧を利用して、上手くスピードを乗せて走る。時速20km、ここへ来て最後の・・・ラストスパートの力が出て来たようだ。途中では、とても完走できそうにないとあきらめかけていたのだが・・・

遅い夏の陽もすっかり暮れてしまい、ライトをつけて最後の力走。
けっこうスピードが乗ってきたせいか、汗と皮脂と日焼け止めで汚れた両腕に小さな虫が当たってはこびりつく。ゴールまで10kmを切り、やがて人吉市内へと入ってきた。

人吉の街の灯が見え、いつもと変わらぬ日常の風景が見えてきた。
しかし【非日常的】な一日を終えようとしている私には、なんだかとても懐かしい光景に見えた。
あと5km・4km・3km・・・・・これがあと20kmとかだったら、無理だったろう・・・などと考えながら、痛む背中をかばいつつ「チッ!クソッ!!」「なんのこれしき!!」とかブツブツ言いながらペダルを漕ぎ続け、午後8時ジャスト、遠かった我が家へと無事帰宅した。

全走行距離、約192km・・・家を出てから帰ってくるまで12時間弱であった。
こうしてみると【それほど大したことない】ようにも思えるが、ロクに練習もせずにこんなことをやったのは、やはり【暴挙】としか言えません!!


風呂に入って汗と汚れを洗い落としてサッパリし、丸1日ぶりのまともな食事。
しかし・・・ノドを通ったのは冷えたトマトと果物だけだった。さすがの私も精根尽き果てて・・・それから3日間ぐらいは、それはそれは気分が悪く、しばらくは自転車を見るのも避けてました(笑)



・・・で、これだけ走ったら相当なダイエット効果があるとお思いかも知れませんが、実際は大して効果はありませんでした!!せいぜい1〜2kgくらい?!


教訓・・・【過ぎたるは及ばざるがごとし】です。人生、あせらず一歩ずつ歩いて行きましょう。


このあとしばし自転車から遠ざかることとなり、ものの見事に【リバウンド】となりました。

nobu1964jp at 12:06│Comments(2)TrackBack(0) 自転車 | ピンチねた

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この記事へのコメント

3. Posted by はるか   2006年07月10日 23:22
おおぅ!何度死にかけたら気が済むのだぁ〜??(笑)
って、笑い事じゃないけど、笑い事で済んでよかったです(笑)。
ついこの前(でもないか…)通った土地だけに、
目に浮かんできて、妙にリアルなのがちょっと怖いですよ〜。
でも、もうちょっと走っちゃえ、みたいな勢い、
わかるような気がします。わたしも同じことしてる気がするもの(苦笑)。
4. Posted by nobu   2006年07月11日 00:10
はるかさま、ど〜もです。
特急で往復3700円(割引きっぷ利用)かかるところを、人力で往復してしまいました。
でも…時間にして特急の×4倍の所要時間ということは、なかなか健闘してるでしょ(笑)
(・・・って、比べてどーする?!)
でも、もうやらない。いや・・・やれない!か。
もし今度やったら、新聞の隅っこに小さく載るかも知れません(爆)

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